2025年に入り早いものでもう2ヶ月が経ち、寒さの中にも春の足音を感じる季節となりました。今年初回のブログは富滿が担当します。
今回は、2025年初のワインイベント「フェ・マン メーカーズディナー」の模様をお届けいたします。私にとって第二の故郷ともいえるカリフォルニア州ナパ・ヴァレーから、豪華なゲスト、ブノワ・トゥケ氏を招いて中国料理「チャイナブルー」で開催いたしました。
ブノワ氏は、当時無名だったレアム・セラーズをパーカー・ポイント100点連発のワイナリーへと仕立て上げた立役者であり、現在ナパ・ヴァレーで注目のワインメーカーです。そのブノワ氏のプライベートブランドが「フェ・マン」であり、フランス語で「手造り」という意味をもちます。「人から渡されたものではなく自分自身の手で一から造りたい。自分を極限まで追い込み、そこから初めて自分の本当の実力が分かる。そんなワインを手造りしたい」そんなブノワ氏の特別な想いが込められた、最小限のスタッフのみで「手造り」されたワインがフェ・マンです。今回、ブノワ氏が全身全霊を込めて手造りしたワインをお食事とともに楽しみながら、ブノワ氏から直接話を聞くことができる、現地でもなかなか叶わないような貴重なディナーが実現しました。
今回ご用意したラインアップは乾杯の白ワインを除き全て赤ワイン。卓上にはボルドーグラスが美しくずらりと並びます。メインとなるワインはナパ・ヴァレーの中でも著名な畑をソースとする非常に貴重なカベルネ・ソーヴィニヨン100%の赤ワイン4種。ラインアップがほぼ全て赤ワインということで、「チャイナブルー」シェフの陳と何度も打ち合わせを行い、試作を繰り返しながら、ワインとの調和を追求した特別なメニューを作り上げました。
・2021 Beckstoffer Missouri Hopper Vineyard
・2021 Beckstoffer Las Piedras Vineyard
・2013 Beckstoffer Las Piedras Vineyard
・2021 Tierra Roja Vineyard
畑違いのワインをテーブルに並べて比較しながらテイスティングすることで、それぞれの畑の個性が少しずつ浮かび上がってきます。カベルネ・ソーヴィニヨンが有名なナパ・ヴァレーではその味わいを一括りにされがちですが、決してそんなことはありません。ワイン産地としては非常に小規模ではありますが、同じカベルネ・ソーヴィニヨンで造られたワインでも明確な違いがあり、確かなテロワールを感じることができます。また、ブノワ氏が造る素晴らしいワインの数々には共通して、芳しい妖艶な香りが立ちあがり、そのとろけるような柔和なテクスチャーは他のそれとは一線を画す唯一無二のスタイルです。
私はブノワ氏にお会いするのは今回が初めてで、内心非常に緊張していました。彼のインタビュー記事などからシリアスで近寄れないオーラを放っているように感じていたからです。しかし、彼と対面して3分でその印象は良い意味で崩れ落ち、今回のワインイベントがすばらしいものになるだろうと確信しました。彼は人一倍フレンドリーな姿勢で、ホスピタリティにあふれた人柄であり、とても笑顔が素敵な方でした。イベントが終始盛り上がりを見せたのはいうまでもなく、終盤には参加者の皆様とシャンパーニュで乾杯したい!と予定にはなかったうれしい申し出をいただき、参加したお客様に感謝の気持ちを伝えてくださいました。
彼のワインがイベントの一体感を作り上げ、今回のワインイベントを企画、開催できたことを心からうれしく思うと同時に、参加者の皆様とブノワ氏をはじめ、インポーターの中川ワイン様に感謝の気持ちでいっぱいでした。そして、素敵な人柄のブノワ氏が心を込めて「手造り」するからこそ「フェ・マン」なのだと、その魅力の一端を理解できた気がした忘れられない一夜となりました。
コンラッド東京では今後も皆様に楽しんでいただけるようなワイン・イベントを続々と開催予定です。2月に開催予定のワインイベントをご案内させていただきます。
・2/26 ドメーヌ バロン ド ロートシルト ディナー
https://conrad-tokyo.hiltonjapan.co.jp/plans/restaurants/dinner/kazahana-2502-2
・2/27 シャブリ・ドメーヌ・セルヴァン メーカーズディナー
https://conrad-tokyo.hiltonjapan.co.jp/plans/restaurants/dinner/kazahana-2502
3月にもナパ・ヴァレーから素敵なゲストをお招きしてワインイベントを企画中です。改めてご案内させていただきますので楽しみにしていてください。
本年もコンラッド東京、ソムリエ・チームをよろしくお願いいたします。
ソムリエ
富滿 勇希
25 Feb, 2025