皆様、こんにちは、ソムリエの富滿です。
今回は、世界最古のシャンパーニュメゾンでありながら、現在も世界中の人々を魅了し続けるルイナール社が2021年春、最高醸造責任者フレデリック・パナイオティス氏主催のもと、日本で初開催となった「ルイナール ソムリエチャレンジ2021」の模様をお届けします。
このコンクールは2010年より毎年世界各国で開催されており、今年日本では初めて、東京・大阪で開催されました。優勝者、準優勝者には、フランスのパリ、ランスで行われる「ルイナールソムリエウィーク」へと各国の優勝者とともにご招待いただけるという、夢のような副賞をいただけるコンクール。戦いは2月から始まり、予選は課題筆記の審査。そして、予選を勝ち進んだ全国で約60名の精鋭が本戦へと駒を進めることが出来るのです。
東京会場となったのは、我々のホーム、コンラッド東京!順調に本戦へと駒を進めた私は、その会場のただならぬ雰囲気と、参加していた面々に圧倒され、身の引き締まる思いで着席し、開始の合図を待ちます。
審査内容は、4種類のワインのブラインドテイスティング。4種類中2種類ずつ、英語と日本語でのコメントの指定があり、時間は40分。ひとつひとつのアイテムを、外観から、香り、味わいの詳細、そして、最終的な結論として、どこで造られたものか、収穫年や、ブドウ品種の構成を導き出し、提供方法や、合わせるお料理などを提案するもの。ひとつのアイテムに向き合える時間は約10分間。その10分間で、そのワインの特徴や、製造方法、熟成期間に至るまで、その詳細を書き綴るのです。10分間という時間は非常に短く、迷ってペンを止めればたちまち時間がなくなり、全てのアイテムを終えることは出来ません。
私も始まりの合図とともにペンを走らせ、猛スピードで書き進めながら、ひとつひとつの特徴を頭で整理し、書きながら同時に頭で考えるようなイメージで手と鼻と頭をフル回転させ続け、4種類のテイスティングを無事に終えました。コンクールが終わると、現地のフレデリック・パナイオティス氏と画面を通して、中継で繋いでいただききながらテイスティングを交えてのセミナーを受講させていただきました。このコンクールで勝つ為に、どれだけの時間を割いたかは分かりませんが、その全てを40分間に集約する思いで挑みました。後は結果が出るのを待つのみです。結果が出たのは約2週間後。果たして…
結果は、第4位!決して満足と言える結果ではありませんが、ハイレベルな選手が揃う中での受賞は大変嬉しく、ここまで今回のコンクールに向き合って来た時間や想いが報われる瞬間でした。今回の結果に満足せず、また更に上を目指せるよう、更なる準備と訓練を積みたいと思っております。
ここで、皆様の頭には、ひとつ疑問が浮かんでいることと思います。森本ソムリエールは出場しなかったの…?そんな訳はありません!!
森本ソムリエールは見事、準優勝!あと一歩の所で優勝こそ逃しましたが、プレッシャーを跳ね除け、東京会場では1位という結果を残しました。コンラッド東京から、上位に2名入るという快挙を成し遂げたのです。森本ソムリエールは、「ルイナールソムリエウィーク」へと参加することが決まり、貴重な体験を経て更に成長し、その経験を皆様に還元してくれることと思います。
私も森本ソムリエールの背中をロック・オンし、ジリジリと着実に追いかけたいと思います。
最後に、今回コロナ禍という厳しい状況の中で、このような素晴らしいコンクールを主催してくださった、モエ・ヘネシー・ディアジオの皆様、日本ソムリエ協会の関係者の皆様、そして、当日の運営に携わったコンラッド東京のチームメンバーの皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
ソムリエ
富滿 勇希
20 Apr, 2021