初夏の爽やかな風が心地よい季節となってまいりましたが、皆様いかがお過ごすでしょうか?プロガー(プロ+ブロガー)の富滿です。南国育ちなのに暑いのが苦手は私は、梅雨入り前のこの時期になると無性にソーヴィニヨン・ブランが恋しくなります。
さて、今回は先日モダンフレンチ「コラージュ」で開催した「ティム・モンダヴィ・ファミリー メーカーズディナー」の模様をお届けいたします。ナパヴァレーのイベントは今年に入って2回目。今回はモンダヴィ家からキアラ・モンダヴィ氏を招いての開催となりました。
キアラ氏のお父様であるティム・モンダヴィ氏は「コンティニュアム」を造り、キアラ氏のお祖父様にあたるのが「カリフォルニア・ワインの父」と呼ばれたあの偉大なロバート・モンダヴィ氏。そしてキアラ氏のご兄弟にあたるカルロ氏とダンテ氏もまた「レイン」というワイナリーでワインを造っています。
今回、キアラ氏自身のブランド「センティアム」の日本初お披露目のために来日されていましたので、このタイミングで貴重なワインイベントを開催させていただく運びとなりました。提案させていただいたのは「ティム・モンダヴィ・ファミリーの会」父と子が造るワインを全て織り交ぜながら継承する想いや造りにフォーカスしたイベントです。
「センティアム」は祖父のロバート・モンダヴィ氏が造ったフュメ・ブランにインスパイアを受け長年の構想を経て造られたもの。名前の由来は「五感を通して観察すること」の意。そうすることで自然と調和した生き方を目指すことができ、ブドウの木と密接な繋がりを待てるというのです。「コンティニュアム」のラベルをデザインしたことでも有名なキアラ氏は、もちろん自身のセンティアムのラベルにもカリフォルニアに自生するという「アイリスの花」を繊細に描いています。
果実やハーブの香りが全面に出るタイプのソーヴィニヨン・ブランとは異なり、香りは抑制が効いていて控えめな印象。やや硬質なイメージを与える豊富なミネラル感と澱との長期接触を連想させる凝縮した旨味や複雑味が感じられ、味わいの中心には縦に伸びる活き活きとした酸味が全体を引き締める、洗練されたエレガンスを感じるワインです。もちろん、イベントの主役のワインはこちらのセンティアムなのですが…今回提供させていただいたワインはどれもその会の主役になるようなワインばかり。
全てのワインの説明をテクニカルなことだけではなく、そのワインができるまでの背景やストーリー、関わった人々の想いなどの側面から丁寧にお話しいただき、参加された皆様もキアラ氏の「一族としての誇りを持ちつつも、温かく謙虚でピュアな心を感じさせる彼女の人柄の良さ」に感銘を受けたことと思います。センティアムの味わいを噛み締めていただき、造り手本人のキアラ氏のお話しや人柄を感じれば、一層センティアムの本質を理解でき、ご家族が造るワインと比較していただければその共通項や想いを肌を感じることができる、それがまさに今回のイベントの醍醐味でした。
イベントを開催するにあたって毎回のことではありますが、私の無理難題にも快く応じていただき、私の提案に対して、自身の経験からさらに斬新なアイディアをプラスして提案し返してくれる料理長の影山シェフを始め、コラージュのキッチンチームには感謝しかありません。今回も見事に全てのワインを最大限引き立てる料理を考案していただきました。
また今回のイベントに関しては定員を20名様程に絞らせていただき、より生産者と近い会にすることで、皆様にご満足いただけるよう計画させていただきました。ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。
コンラッド東京では今後も皆様にご満足いただけるようなワインイベントを計画しております。すでに情報が公開されている、イタリアワインをこよなく愛するソムリエの浦崎の企画したイベントがこちら。
そして現在まさに詳細をつめている最中ですが、あの!シャンパーニュメゾンのイベント開催が決定しております!皆様にご案内できることを今から楽しみにしておりますので、今後ともコンラッド東京開催のワインイベントをよろしくお願いいたします。
ソムリエ
富滿 勇希
09 Jun, 2024