スペイン北東部に位置するリオハ地方。造られるワインは海外での評価も高く、
2015年の販売実績も過去最高を記録しました。
スペインワインの格付け、原産地呼称制度の最高峰「D.O.Ca」に認定されているのは、
このリオハとプリオラートの2つの地方のみです。
今回は伝統と革新の融合が如実に感じられるスペインの銘醸地、リオハについてご紹介したいと思います。
まずはアルタディで単一畑の素晴らしさを学び、その後はソムリエ人生の中でも初かもしれないほど近代的な醸造設備を所有するビーニャ・レアルへ。
ワイナリーの外観は大きな樽に見立てて建てられており、とてもモダンな造りです。リオハと言ったら!の圧巻の樽貯蔵庫は10段重ねになっていて、『今、リオハにいるんだなぁ』と実感させてくれました。
その後、クネ、マルケス・デ・ムリエタというリオハの歴史を語る上で最も重要なワイナリーを訪問。マルケス・デ・ムリエタは、レゼルバのリリースに5年の歳月をかける長熟ワイナリーとして、またコンラッド東京のグランド・ワイン・リストにオンリストしてあるワイナリーとして有名(笑)ですが、その理由の1つは標高900mで育った、凝縮感のあるブドウを収穫することができるためだと考えられます。実際に足を運ぶと、他の場所と明らかに高さが違います!凝縮感のあるブドウだからこそ、樽負けをすることなく、バランスの良いクリーンなワインを造る事が出来るんですね。
最後に、ムガは『樽』の一言に尽きます。ソムリエチームへの土産にと、ムガのワインを買ってきました(*^_^*)。三人の樽職人を雇い、全て手作業で自社の樽を作っています。
皆さん、アメリカンオークとフレンチオークのカッティング方法が違うことをご存知でしたか?!
アメリカンオークは無駄なく使うことが出来ますが、フレンチオークはこの写真にあるように、丸太を放射線状にカットし、研磨していかなければいかないので、使えない部分、つまりロスになる部分が非常に多いということでした。ソムリエの教科書には載っていない、“自分で見聞きしたからこそ伝えることが出来る”生きた情報を得ることが出来ました。
法律の枠組みに捉われず、単一畑に注力してD.O.Caから脱退する生産者を訪問したり、クリアンサ、レゼルバ、グランレゼルバなどの伝統を重んじる生産者の話を聞いたりと、“伝統地域でありながら多彩で、どんどん変化を遂げている産地だなぁ”としみじみ感じた研修でした。
コンラッド東京 ゆるキャラ森本
15 May, 2016