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「獺祭」メーカーズディナー

「獺祭」メーカーズディナー

年末の多忙な時期、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

 

10月にマスターソムリエの試験、11月にアジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール出場と、盆暮れ正月がまとめて来たような時期を過ごし、元気に帰ってきた森本です。燃え尽き症候群になっているいとまもなく、2022年ソムリエチームインチャージの最後のイベント「獺祭」メーカーズディナーを開催いたしましたので、皆さまにご報告いたします。

 

「ソムリエ」という職種は、ワインだけを知っていれば良いのではなく、全ての飲料に対して幅広い知識が必要となります。先日のアジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクールの準決勝に於いても、コーヒーの事について詳細に聞かれる設問があり、言葉に詰まってしまう場面もあり…(もっと幅広い視野・視点を持たないといけないな…)と反省している毎日です。マスターソムリエの試験でも、アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクールのクォーターファイナルでも日本酒の事はたくさん問題に出されていて、日本酒を正しく理解し、説明することの大切さを改めて痛感した1年となりました。

 

ご縁があって山口県岩国市の獺祭に訪問させていただいたのが、ちょうど1年前。

 

  

 

それまでの私の獺祭に対してのイメージは「中々手に入らない、日本人よりも海外の人がたくさん飲んでいる日本酒」という印象でした。実際、獺祭の販売の50%以上は海外輸出であり、日本酒全体の海外輸出の17%を獺祭が担っているそうで、先述したように、より正しく日本酒を理解し、外国語で説明することの大切さを求められる銘柄の一つだと感じました。

 

そんな日本のみならず世界中の様々なシーンで楽しまれている獺祭を日本料理と合わせるだけではもったいないんです!フランス料理界の巨匠、ジョエル・ロブション氏をも虜にした獺祭は、パリにジョエル・ロブションとのコラボレーションカフェもあるくらい、フランス料理と切っても切れない関係なのです。

 

そんなわけで、今回のディナーのために、モダンフレンチ「コラージュ」の影山シェフが特別な料理を作ってくれました。このディナーのために用意してくださった、“獺祭 磨きその先へ マグナム”に合わせた料理は、オマール海老と文旦の組み合わせ。

 

 

“獺祭 磨きその先へ”が持っている、文旦や温州みかんのような、和柑橘を思わせる味わい&フレーバーがオマール海老の甘さを引き立て、また文旦と同調し、とても調和が取れたペアリングとなりました。まぁ…あれこれ言わずに…本当に言葉が出ないくらい、“獺祭 磨きその先へ マグナム”が美味しかったです!(もはやテイスティングコメントを諦めています)

 

“獺祭 美酔(びすい)”は、他と比べると低アルコールであり、アプローチャブルなのですが、香り高く、お米本来の優しい甘みと心地よい酸のバランスの良さが特徴の日本酒です。特に美酔を口に含んだ時の口溶けの滑らかさがペアリングの鍵になると考え、影山シェフとの料理打合せの時も、「フォアグラやレバーパルフェのような肉料理であり、トロッとした質感を楽しめる料理が良いのでは?」と提案したくらいです。

 

…影山シェフ、試行錯誤してくださいまして!「リードヴォーのフリカッセ」を作ってくださいました。

 

 

リードヴォーとは、仔牛の胸腺肉のことで、ふわっふわでトロトロの食感を持った食材です。フリカッセの玉ねぎのコクやベーコンの塩みと美酔の組み合わせは、互いに相乗効果で、それぞれを引き立ててくれるようなペアリングになり、もちろん!影山シェフのアイディアにも感動しましたが、改めて モダンからクラシックまで寄り添う事が出来る獺祭の懐の深さにソムリエとして喜びを感じることができました。

 

 

当日、お忙しい中時間を調整して、足を運んでくださったお客様方は、“獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分”、“獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 遠心分離”、そして「ひと粒の米も無駄にしたくない」 という熱い想いから、10日間かけて8%まで等外米を磨き造られた “獺祭 未来へ 農家と共に”を桜井会長、桜井社長のトークとともにお楽しみいただく贅沢な時間を過ごしていただき、さらに桜井会長、桜井社長をはじめとする、旭酒造の皆さまの「お迎えした皆さまに心ゆくまで獺祭を楽しんで欲しい」という温かいお気持ちから、サプライズでその日に絞って、火入れや濾過などせずに瓶に詰めて持ってきてくださった‟獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分”をお楽しみいただきました。

 

お忙しい中、お集まりいただきましたお客様方、桜井会長、会長夫人、桜井社長をはじめとする、旭酒造の皆さま(特に山根様・本田様)の多大なるお力添えのおかげで、2022年の締めくくりに相応しい豪華で盛大なイベントとなりました。

 

 

 

日本酒のイベントを、ソムリエチームが主導で行わせていただくのは今回が初の試みでしたが、学びや発見が多く、2023年もワインだけではなく、日本酒・お茶・コーヒーなどもっと色々な飲料を勉強して、お客様に還元できるような年にしたいと思いました!

 

それでは2022年も残すところ10日ほどになりましたが、皆さま素敵なクリスマス&良いお年をお迎えください。2023年もコンラッド東京ならびにソムリエチームをどうぞよろしくお願いいたします。

 

イベント時に獺祭様からお借りした“獺祭” 自立式タペストリーの調子が悪く、必死に巻き上げているエグゼクティヴ ソムリエ、和田ソムリエ、浦崎ソムリエ…。『壊したんですか?』と聞いたら…『違う!!調子が悪いだけだ!!!』と必死に言っている、日頃なかなか見ることができない、焦るエグゼクティヴ ソムリエの写真を皆さまにお裾分けいたします。

 

 

森本 美雪

20 Dec, 2022

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