もうすぐクリスマス。
皆様はどんなワインで聖なる夜を過ごすのでしょうか・・・。
さて、去る11月24日、モダンフレンチ「コラージュ」にて、4代目ヴーヴ・クリコ最高醸造責任者であるドミニク・ドゥマルヴィル氏を招き、ワインメーカーズディナーが開催されました。リニューアル・オープン後、初のワインイベントということで、シェフの前田の個性際立つ料理とヴーヴ・クリコが誇る4種類のキュヴェを皆様にお楽しみ頂きました。
ディナーのプロローグはもちろんイエローラベル。黒ブドウを主体としながらも常にバランスが良く、飲み飽きないこのシャンパーニュには、タラバ蟹のバロティーヌをご用意しました。蟹の甘みを最大限に引き出しつつ、付け合わせに添えられた葱のピリッとした刺激にも対応する懐の深さに、参加者も思わず脱帽でした。
続いて供されたのが今回の目玉であるヴィンテージ2004年。非の打ち所が無い素晴らしい年で、エレガントな酸と豊かな果実味が見事に融合した得も言われぬ味わいでした。北海道の日高町で獲れる脂の乗った天然秋鮭「銀聖」の炙りは、芳ばしい滋味豊かな味わいで、2004年ヴィンテージと合わせることによって、より一層その奥深さが引き立ち、素晴らしいマリアージュを奏でていました。
いよいよメインディッシュ、シャラン鴨の登場です。私も長年、鴨料理で有名なレストランに勤めていましたが、前田が作るこの一皿には驚きを隠せませんでした。様々な調理法で仕上げられた鴨は、その美味しさを余すこと無く発揮し、特にしっとり柔らかく火入れされた胸肉の滑らかな触感はやみつきになりそうな程です。ご用意したローズラベルは、柔らかく滑らかな口当たりで、まさに鴨の美味しさを支える縁の下の力持ち的な味わいでした。
当初は秋鮭にローズラベル、鴨にヴィンテージ2004年というマリアージュも考えていたのですが、結果的にはローズラベルをメインディッシュと合わせて大正解でした。ドゥマルヴィル氏からもお褒めの言葉を頂き、感無量でした。
デザート時にはドゥマルヴィル氏たっての希望で、ソムリエによるサプライズがあり、ホワイトラベルのドゥミ・セックを皆様の前でアエラシオン(空気を含ませながらカラフェに移す作業)させて頂きました。糖分が残っているワインはただでさえ還元的になりやすく、さらにシャンパーニュはガス圧によって還元状態により一層の拍車をかかります。「シャンパーニュをカラフェに移すの?」と驚かれる方も多かったのですが、これにより香りが広がり、味わいもより一層美味しくなるのです。
参加された皆様は大変ご満悦の様子で、最後には全員仲良く記念撮影をされていました。今後も各レストランでワインイベントを随時開催致しますので、引き続き多くの方々のご参加をお待ちしております。
ヘッド ソムリエ
森 覚
20 Dec, 2013