今回はソムリエール森本による、プリウーレ・ロック試飲コメント特集です!
ソムリエには、造り手と消費者を繋ぐ”架け橋”となることが求められます。そのためには常に造り手と情報を共有し、彼らの哲学や思想をワインの味わいから理解しなければなりません。そして、感覚で得たものを言葉にし、お客様に伝える技術を日々磨くのです。
森本がプリューレ・ロックのワインのどう捉え、どう表現するか・・・。トレーニングのまとめとしてご一読くださいませ。
①ヴォーヌ・ロマネ・レ・クル 2011
≪レ・クルは村名格付けの【プレ・ドゥ・ラ・フォリ】、【ラ・コロンビエール】の2区画をブレンドしたキュヴェ≫
赤みのある温かい色調、ザクロや小粒の野イチゴの香り、フローラルなトーンが強く牡丹やゼラニウムのような香りもあります。味わいは華やかさが印象的で、伸びやかな酸、なめらかなタンニンの為、全体的にエレガントにまとまっている印象。温度が上がると還元的な印象が抜けて、軽く潰したイチゴやマンダリンオレンジ、アールグレイティーのような香りも出てきました。
②ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ 2011
≪クロ・デ・コルヴェ北側の樹齢50年以上の樹から造られるキュヴェ≫
①と比較すると一気にスパイシーな要素が入ってきます。ブルーベリーやカシス、スミレの印象とミネラルの要素の土っぽさ、なめし皮の印象も感じられます。黒系果実の味わい、①に感じなかった男性的だが溶け込んだタンニン分がしっかりとあります。
③ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュV.V. 2011
≪クロ・デ・コルヴェ南側の樹齢70年以上の樹から造られるキュヴェ≫
②とほぼ同じ第一印象ですが香り・味わいの濃縮度が増します。ダークチェリー、ブラックベリー、リコリスやパン・デピスのような要素もあります。味わいにもしっかりとした構成の骨格と熟したタンニンが感じられ、濃縮感があります。
④クロ・デ・コルヴェ 2011
≪クロ・デ・コルヴェはミルランダージュ(結実不良)を起こしたブドウ果実のみで造る、プリウーレ・ロックのフラッグシップ≫
②、③と同じ畑から造られるワインですが、全く違うワインのように感じます。
コンポートにしたブラックチェリーやシナモン、丁子、樽からくる穏やかな木の香り、チョコレート、コーヒー、複雑な香りがあります。味わいはタンニンがしっかりしていて、引き締まったボディです。①~③に比べ樽の印象は強めですが、最も長期熟成の可能性が高いワインだと感じました。
こんなにも贅沢なワインを社内トレーニングに使うホテルって・・・。あまり無いですね。
皆さんはどのワインを飲みたくなりましたか???
ヘッドソムリエ 森 覚(本文)
ソムリエール 森本 美雪(ワインコメント)
05 Aug, 2014