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テロワールとは? マチュー・ダイスさんがいらっしゃいました。

テロワールとは? マチュー・ダイスさんがいらっしゃいました。

フランス、アルザス地方のドメーヌ・マルセル・ダイスを、父のジャン・ミッシェル・ダイス氏と共に運営している、マチュー・ダイス氏がコンラッド東京にいらっしゃいました。

ドメーヌ・マルセル・ダイスは、1744年からワイン産地アルザスの中心部の小さな村”ベルグハイム”にて代々ワインを造り続けています。
現当主のミッシェル氏は責任感が強く、誠実な造り手であることから、自分のワインにこのような結論を出したのです。
「独自のオリジナリティーや個性、本来備わっている個性が強いワインを造ることが出来る、特定の”テロワール”に絞って、ぶどうの木を熱心に育てていく」
それでは、”テロワール”とは?それは下記の点を考慮します。
・地質学
・土壌学
・気候やミクロクライメート
・土壌の特性を専門的に分析すること
・植物や動物の生態系
・ワイン造りの伝統的な方法や技術
テロワールとはこういった緻密な内容が作用する特別な土壌なのです。
ミッシェル氏は、アルザスに初めて「テロワール」の概念を持ち込んだ偉大なる人物で、さらにはAOC法の改正(アルザスにグラン・クリュを認めるワイン法改正の手続きの中で、ミッシェル氏はブレンド物を持ち込んでグラン・クリュとして認めるよう主張しました。10年がかりの活動の末、ようやく認められるようになりました。等々)を成し遂げました。現在は、彼が昔から提唱する、テロワールに基づく自称、「プルミエクリュ」を実現させるべく運動を続けています。
そんな、ミッシェル氏と共にワイン造りを続けているマチュー氏とテイスティングをご一緒させていただきました。

プルミエクリュ申請中のワイン、エンゲルガルテン、ローテンベルグの2つの畑を比較試飲しましたが、これがなんともビックリしました。なんと、ブドウの品種構成は一緒という事でしたが、テロワールの違いを実感できる絶好の機会となりました。
エンゲルガルテンはミネラル感に富んだ、きれいな伸びのある酸味の心地よいエレガントでやさしさを感じるワイン。香りも奥のほうに潜んだ控えめの印象を受けました。
ローテンベルグは、主張が強く、エキス分に富んだ、素直なおいしさを表現してくれるワインです。わが道を行くといった印象です。
どうして、こんなに同じ年、同じヴィンテージで差が出来るのかマチューさんに尋ねてみました。その答えはずばり、「テロワール!」。
では、なぜテロワールにこだわるのかというと、答えはこうなのです。
「最近のようにワインのラベルにブドウの品種を表示する人気の”ヴァラエタル”ワインにずばり対立する概念として」とのこと。
アルザス地方はブドウ品種を重視する地方で、従来テロワールを重視していなかったのです。そこに着目したというわけです。アルザスと言えばもともと複雑な土壌をもった広大な産地。こういった複雑さをなくすための理由だけで”ヴァラエタル”に逃げていたのかもしれません。
私個人としては、テロワール賛成派です。そこには歴史的な何かも手伝って、代々暮らしてきた人々の息吹さえ感じられます。フランスに限らず世界中のワインに言える事です。
ドメーヌ・マルセル・ダイスのワインは、ボトル、グラス共にワインリストにオンリストさせていただいております。ぜひ、何本かご注文されて、テロワールの違いを確認してみてはいかがでしょうか(笑)。
今年も残すところあと僅かとなってまいりました。皆様にとって良い締めくくりとなりますよう、コンラッド東京も張り切って年末を迎えようと思います。
皆様のお越しを心からお待ち申し上げます。
アシスタント ヘッドソムリエ
濱田真児

09 Dec, 2011

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