こんにちは、日本料理「風花」鮨職人の坂元です。
行っちゃいましたフランス、イタリアを巡るワイン研修ツアー。
今回、ファインズ様のご協力のもと、ブルゴーニュから始まりフィレンツェへと、6泊8日のワイン愛好家垂涎の弾丸旅行!
3回に分けて皆様にこの幸福なひとときをお届けいたします。
10月21日、いきなりブルゴーニュ(コート・ドール)!
ブシャール・ペール・エ・フィスで2003年より働いていらっしゃる西山さん(日本の方がいることの有り難さをこの後しみじみ感じることに)の案内のもとモンラッシェ畑へ!
目覚めの1拝(ぱい)には持ってこいのインパクト。
この日はムルソー、ロマネ・コンティ(もちろん隣接するグラン・クリュも)、ヴージョ等々有名ワインが生まれる畑を視察。もうたまらん!
所代わって近代的、無駄を排除、かつ自然にも配慮した醸造所を見学。
従業員の雇用、労働環境をもしっかり考慮し、だからといって重要な作業はしっかりと、責任者が管理する会社の経営理念に深く感銘を受けました。
15世紀の要塞であったシャトー・ド・ボーヌへと移動。地下10メートルの秘密のカーヴには19世紀からの2000本近いお宝が寝むっていました。(一番古いヴィンテージで1846年ムルソー・シャルム)
目で感じた後は、舌でも感じねば。
お待ちかね試飲タイム!
シャトー・ド・ボーヌ(赤6種、白5種)を転がすことに。
特に印象的だったのが、サンロマン2017年とムルソー・レ・クル2017年。
人の手が顕著に入ったサンロマンに対し、できるだけブドウの個性を引き出したムルソー・レ・クル。
レ・クルとはクロ(3~4方を壁で囲んだ所。囲むことでその場所にミクロクリマが存在する)と同義語。
この区画は以前標高が高く冷涼なので、ブドウがうまく熟さないと言われていたそうです。近年、温暖化の影響で、むしろちょうど良い成熟度に、仕上がっているとのこと。
昼食もブシャールさんの迎賓館でご馳走になりました。(余談ですが、この迎賓館で数年前に、銀座のとある江戸前鮨店の大将を招いて、お鮨とワインのペアリングを行ったそうです。羨ましい!)
鮨屋のワイン紀行、シャブリ・シャンパーニュへと続く!
チョイと小粋な裏話。
第1次世界大戦中、ボーヌはドイツ軍に占領されたそうです。特にシャトー・ド・ボーヌのカーブは防空壕としての役割もありドイツ軍の拠点となりました。そういった戦禍の中、カーブに保存してあるワインが今でも現存する訳は、
1. そこに武器を隠し持っていなかったこと
2. 当時のドイツ軍司令官の実家がワイン商を営んでいたこと
で、ワインを無駄に処分しなかったようです。
鮨職人
坂元大二郎
13 Nov, 2019