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獺祭メーカーズディナー 「風花」にて

獺祭メーカーズディナー 「風花」にて

毎日蒸し暑い日が続きますね。今回のブログは、暑がりで既に溶けそうな森本が担当します。

そんな暑さも吹き飛ばすようなクールな日本酒「獺祭」の代表取締役社長 桜井一宏(さくらいかずひろ)氏を日本料理 「風花」にお迎えし、一夜限りのメーカーズディナーを開催しましたので、その模様をお届けします。

皆様もご存知の通り、獺祭は「純米大吟醸」だけを造るというまさに究極の挑戦をし続ける山口県岩国の酒蔵です。その挑戦は日本に留まらず“獺祭BLUE ニューヨーク蔵”のオープンで世界へ広がり、そして2025年には人類初となる宇宙空間での酒造りにも挑まれ、「酒は酔うためのものではなく、味わうもの」という信念のもと、革新的な醸造技術と、絶え間ない努力で日本酒の新たな未来を切り拓き、挑戦し続けていらっしゃいます。

このメーカーズディナーでは、獺祭の米粉、酒粕、甘酒、獺祭のミネラルウォーターをはじめとした材料をサポートいただき、会席・鮨・鉄板焼の料理長たちが、獺祭の珠玉のラインナップ6種類に合わせたこの日限りの一皿を披露しました。乾杯の一杯として供されたのは、獺祭の代表作「純米大吟醸 磨き二割三分」、そこに寄り添うのは会席から「毛蟹と海老、独活の黄味酢和え」です。この日本酒が持つ透明感のある甘味と旨味が、繊細な味わいの毛蟹の味わいを引き立て、独活のみずみずしさが上品な酸を保持した日本酒とそっと寄り添うようなペアリングになりました。

2品目の「素麺の獺祭米粉揚げ」も会席から。この料理と合わせたのは、「純米大吟醸45 にごりスパークリング」。快活な泡立ちは、獺祭の米粉でカラッと揚げた素麺の香ばしさとクリスピーな食感と好相性で、食べ疲れすることがなく、スパークリング、素麺ともにスイスイッと箸が進みます。

先付けを二品お楽しみいただいた後にお凌ぎを。獺祭の酒粕に漬けた“漬け鯵”、真鯛には獺祭 純米大吟醸45で造った煎り酒ジュレを合わせ、食感のアクセントに飴炊きにし、砕いた胡桃を加えた稲荷の3種類の鮨を提供しました。鮨のお米は、獺祭のミネラルウォーターで炊いており、獺祭との親和性を高めています。

この会を開催するにあたり、獺祭のご配慮で料理長たちは当日提供する全てのラインアップをテイスティングすることができ、そのテイスティングを通して“どのセクションが、どの日本酒と合わせるか”を決めました。鮨の小川が「この日本酒を鮨に!」と即決したのが「早田 純米大吟醸 磨き二割三分」。通常の獺祭23と比較するとミネラル感を伴う引き締まった印象がある日本酒で、鮨職人が選びたくなるのも自然な流れだと思います。続いて、日本国内の一部の獺祭取扱店にて数量限定で販売されている「DASSAI BLUE Type 23」。

このイベントの開催が決まった時に真っ先に使用できるかを確認し、今回特別に提供を許されたサプライズ日本酒です。我々もテイスティングしたことがなかったので、事前テイスティングの時の胸の高鳴りは忘れられません。日本の技術とアメリカのテロワールが融合した新世代の純米大吟醸。これに合わせる逸品は鮨の小川が何度も何度も試行錯誤を繰り返し作り上げた、「チーズ茶碗蒸し ほうじ茶餡添え」です。DASSAI BLUE Type 23の美味しさを最大限に引き上げる逸品なので、お酒の香りも残してほしいという思いがありました。餡に純米大吟醸 磨き45を使っているのですが、その香りを残すためにアルコールを飛ばさないと苦みが際立つし、アルコールを飛ばしてしまうとただのチーズ茶碗蒸しになってしまう・・・。試作用に準備していただいた一升瓶を使い切るぐらい、何度も何度も小川が試作を重ねました。この期間ダメ出しを繰り返す私は、小川から相当嫌われたのではないかと思います(笑)。

「獺祭 磨き その先へ」。精米歩合すら明かされないこの日本酒は、獺祭が到達し得る品質の極限として設計された特別な純米大吟醸です。過度な主張や派手さを排した、静けさの中にある豊かさを体現したこの一本に合わせたのは、会席より「時鮭のつけ焼き」。「磨き その先へ」は、甘味・酸味・旨味の輪郭が極限まで研ぎ澄まされた余韻で語る酒です。時鮭は旬の脂を湛えながらも身質が繊細でやさしい塩味を備えており、鮭の旨味と甘味を兼ね備えた脂をそっと引き立て、透明感のある余韻へと導いてくれました。

鉄板焼からご提供したのは「和牛カイノミと焼き野菜の獺祭米粉焼 獺祭美酔の卵黄ソース」。この卵黄ソースは、1週間「美酔」にネギと茗荷を漬け込み、そこに卵黄を合わせて造ったソースです。美酔の持つ優美な甘味とネギ、茗荷がもたらす爽やかさが絶妙なバランスで、和牛カイノミの上質な脂に溶け込んでいくようなペアリングです。美酔は、精米歩合二割三分という贅沢な造りながら、アルコール度数はわずか8%。ふんわりと広がる白桃や洋梨の香りに、舌の上でそっととろけるような優しい甘味があります。低アルコールの日本酒とは思えない、しっかりとした旨味が和牛のコクと溶け合い、互いの旨味を引き立てる相乗効果を醸し出すペアリングとなりました。

風花では、獺祭の珠玉のセレクションと旬のお料理にて皆様をお待ちしております。夏は食欲が減退しがちですが、獺祭の美酒と風花の美味しい料理で乗り切りましょう!

獺祭の法被が意外と似合っていたのではないかと自負している、森本でした。

 

エグゼクティヴ ソムリエ 森本美雪

09 Jul, 2025

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