皆様、「ココファーム」というワイナリーはご存知ですか?
栃木県足利市にあるワイナリーで、1950年代から、こころみ学園の方々によって素晴らしいワインが造られています。
ソムリエチームの皆で、「訪ねてみたいね」と話していたワイナリーで、
先日ついに訪問することができました。
(一番楽しみにしていた森本は体調不良のため欠席でしたが・・・)
到着して、まず目の前にそびえる急斜面の畑(平均斜度38度)に驚かされます。
フランスでもなかなか見ないほどの急斜面です。
ココファームの池上専務の案内で早速畑の頂上まで連れて行って頂き、貴重なスパークリングワインで乾杯!当日はかなりの猛暑で、照りつける太陽の下、眼下のブドウ畑や足利の景色を眺めながらキリっと冷えたスパークリングを頂けるのは幸せでした。心まで潤してくれました。
集中してテイスティングをするつもりが、この上ないお出迎えについピクニック気分。
何より美味しい!
当初、畑を作る際、野菜だと草刈りをするときに間違えて刈ってしまうため、樹になるものが良いねということでブドウ畑を始めたそうです。
ブドウ畑では、学園の人たちに何か一つでも多くの作業をしてもらうために、開墾以来、一度も除草剤などを使わず手作業での畑仕事を続けていらっしゃいます。今でこそ自然派ワインなどの話もよく聞きますが、障害者支援のためにと考えてやってきた様々なことが、結果としてそのような自然と共存したワイン造りに結びついています。醸造に関しても技術を駆使して造るわけではなく、ワインに耳を傾けながら見守るように造っているそうです。
「ワインがなりたいと思うようになってくれたら良いんじゃないかな」と微笑む池上専務。大変なことがあっても、ポジティブに真っ直ぐな気持ちでワイン造りを楽しむ学園の皆にいつも励まされるという、愛情が深く感じられる、そんな優しい表情でした。
大切に造られたワインはどれもとても純粋で、私が大好きなワインばかりでした。ワインを飲みながらその奥に感じられる造り手の想い、その土地の風景が感じられるというのもワインの楽しみの一つなのではないでしょうか。
皆様も是非、色々なワイナリーに足を運んで、その土地の風に吹かれながらワインを楽しんでみてください!アビアント!
ソムリエ 藤島 聡
11 Sep, 2015