皆さまこんちは。ソムリエの富滿です。
今回、布袋ワインズ様の多大なるご協力のもと、7月9日から10日間、カリフォルニア研修旅行に行ってまいりました。訪問したワイナリーは約20社、ワイナリーの歴史や、特徴はもちろん、現地でしか感じる事の出来ないカリフォルニアの気候、日差しの強さや、入り込む風、霧の動きなど、私が学んだこと、印象に残ったワイナリーなど、現地で撮影した写真を織り交ぜながら、3回に分けてご紹介したいと思います。
サンフランシスコに到着して車を走らせまず向かったのが、猿と魚のラベルでお馴染みの「ダッシュ・ヴィンヤード」。ラベルについて聞くと、猿がマイケル・ダッシュ氏、魚が妻でフランス人のアン・ダッシュさんだそう。全く異なる環境でワインを学んだ2人が同じ方向を向いて進む様を表現しているといいます。
海軍基地の跡地を改装したばかりというワイナリーから造られる2人のワインは、完熟したブドウから造られるパワフルなワインとは違い、適熟なブドウから。
一貫して樽の風味は極力抑え、酸味を大切にした自然な造り、親しみやすくエレガントで優しいワイン。2人の人柄がワインに出ている、そんな印象を持ちました。
あくまで食事を引き立たせるフードフレンドリーなワインを目指している2人。近年素材の味を活かしたシンプルな料理がトレンドだが、そういった料理を出すレストランから熱い支持を獲得していると言います。
まさに食事に寄り添うワイン。とても仲の良いお2人、次回またカリフォルニアに行く機会があれば必ずお会いしたいと思う、そんな温かいお2人。
次にご紹介するのは日本でも絶大な人気を誇る「シェーファー 」1972年にスタッグス・リープ・ディストリクトのヒルサイドにワイナリーを設立。
ワイナリーの周りには圧巻のブドウ畑、絶景が広がります。
栽培や、醸造において、環境保全型のワイン造りをいち早く実践、100%ソーラー発電によってワイナリーの消費電力をまかない、使用する水も全て再利用するという。敷地内にいくつもさしてある木の杭は、モグラを駆除する鷹が止まるためだと言います。
この絶景を目の前に頂く、「レッド・ショルダー・ランチ ・シャルドネ 2017」は本当に格別でした。
ヴァレー中央部よりもやや海に近い為、日差しはとても強いですが、まだ夕方前というのに、海からの冷たい風が入り込み、夜になれば急速に気温が下がるといいます。これがブドウの酸が充実する理由で、この地特有の気候。
今回テイスティングしたのは4種類。
コンラッド東京ではシェーファーの代名詞でもある「シェーファー メルロー」をオンリストしておりましたが、現在生産を中止しており、コンラッド東京でもあっという間にリストから消えてしまいました。
モダンな造りのシェーファー 、凝縮感があり重厚な味わいを綺麗な酸味が支えるイメージ。
キュヴェによっては樽の内側を焦がすのにコンピューターを使い、均一な焦げ目を付けムラを無くすという徹底ぶり。ワインメーカーである「イライアス・フェルナンデス」の妥協のない姿勢がワインに現れています。
コンラッド東京のワインリストに新たにシェーファーのワインが載るのもそう遠くないかもしれません。
第2弾に続く…
ソムリエ
富滿 勇希
05 Aug, 2019