先日、チャイナブルーで開催されましたワインディナーのご報告です。
今回のテーマは「スペインワイン」と「中国料理」。
スペインワインを牽引するワイン産地、リオハの『ボデガス・オンタニョン』から、栽培と輸出の責任者、レティシア・クエバス氏をゲストにお迎えし、リオハワインと広東料理のペアリングをお楽しみいただきました。急遽開催が決まったディナーにもかかわらずお越しくださいました皆様、改めましてありがとうございました!
クエバスファミリーが代々育み運営するこのワイナリーに、彼女が参加したのは2014年。
オンタニョンに戻る前は、宇宙工学の分野でESAオランダ局に勤め、ビッグバン・衛星画像・気象衛星分析などで活躍していたという、ものすごい経歴の持ち主です。
そんなレティシアさんは、凛としていて穏やかで、常にゲストの皆様やスタッフのことを気遣う親切で美しい方で、ワインを語る時の凛々しい表情からはリオハとファミリーに対する誇りを感じました。
そんなレティシアさんたちの造るワインはどれも、香り高く、充実した果実味とフレッシュ感が調和する上品で親しみやすくとても心地の良いワイン。ただ、良年のみ造られる「グラン レゼルヴァ コレクション ミトロジア」は、親しみやすいというよりも洗練されていて厳かで、香りは更に強く、深く、味わいも非常に濃密ながら張りのある偉大なワインでした。
オンタニョンのブドウはリオハ・バハの中でも標高600m~700mの山肌に広がる畑で育ちます。(この辺りの一般的な畑の標高は300m)その環境が、ワインにアロマと爽やかさ、優しさをもたらしているようです。
料理長アルバート・ツェの独創的な料理とのペアリングでは、ワインのテイストに合わせ、味の強さやバランス、ソースやスパイスの風味などを、シェフがワインの状態に合わせ直前まで調節していきます。
「乾杯」には、リオハでは伝統的に混植混醸で造られるという、爽やかなロゼワイン「クラレテ」。「前菜」は、セミドライのパイナップル、揚げた湯葉、ローストした鴨胸肉などをクレープで包んだオリジナリティー溢れる東京北京ダックで、リオハ伝統の樽熟成して仕込まれる白ワイン「ヴェティヴェール・ヴィウラ」を。「スープ」は、フカヒレと並び珍重される高級食材コーニッシュジャックのヒレのスープと、「リオハ レゼルヴァ 2005」。
「メイン」は、栃木産のA4黒毛和牛リブロースに地中海ハーブをアクセントにした強火炒めと、「グラン レゼルヴァ 2005」。最後のお皿、「チャイナブルー風 豚角煮」には、グラン レゼルヴァ コレクション ミトロジア 2005」。角煮を煮込んだソースにはスターアニス・リコリス・オレンジピールなどの甘い香りが溶け込んでいて、ワインとの良いつなぎ役。赤ワイン3種は全て2005年で、樽熟成の期間や補助品種グアシアーノの比率、そして土地の恵みによる違いを比較しながらお楽しみいただきました。
自身もワインラヴァーであるアルバート・ツェの料理はいつもワインのアロマやフレーヴァーと調和するエッセンスがあるので、ワインのヴォリュームなどを合わせて選ぶことで、中国料理とワインと素晴らしい食事を楽しむことが出来ます!チャイナブルーにお越しでワインをお楽しみの際は、ぜひお気軽にソムリエをお呼び出しください!お料理とお好みに合ったワインをご提案させていただきます!
ソムリエ 藤島 聡
05 Dec, 2019